医療ビッグデータ法(次世代医療基盤法)と認定事業者

メディカル・データ・ビジョンの記事が結構読まれているので、次世代医療基盤法とその認定に関する補足を簡単に。

まず、医療ビッグデータ法を管轄しているのは、厚生労働省でなく内閣府内閣官房になります。
普段こういったことはあまり気にされないかもしれませんが、政治における勢力争いや官僚の省庁間の対立などがあるので、時代の潮流に乗っているかは常にチェックする癖をつけることをおすすめします。

次世代医療基盤法に基づき事業者認定を受けたのは今のところ2団体です。
https://www8.cao.go.jp/iryou/nintei/nintei.html

ライフデータイニシアティブ(以下、LDI)と日本医師会医療情報管理機構(以下、J-MIMO)の2団体であり、それぞれ京都大学系と医師会系の団体です。

J-MIMOについては、目立った情報はありません。
LDIについては、千年カルテという構想があり、そこから発展してできた団体になります。
以下、千年カルテプロジェクト概要より抜粋です。

千年カルテプロジェクトとは、2015年にAMED 研究公募事業に採択された全国共同利用型国際標準化健康・医療情報の収集及び利活用に関する研究です。
EHRシステムの基盤としてB to B / B to Cの機能を実現することで、参加医療施設や患者にメリットを提供するとともに、医療情報の二次活用を進めることで、全国の医療情報利活用とEHRの運用を自立採算で継続する仕組みを目指しています。

この研究は、2014 年3 月に次世代医療ICT 基盤タスクフォース(内閣官房)が設置され、主として医療情報の2 次利用に関する検討が開始されたことに端を発し、2015年にプロジェクト始動。2016年には、すでに京都・東京・九州等で別々に稼働しているEHR サイトを新しく開発・設置する共同利用型EHR センターに集約し、データ保存規格をISO13606 に統一。さらにシステムの展開を進め、2017年3月末現在で約30箇所の医療施設および関連機関がこのプロジェクトに参画しています。

まあ、読み解くのが難しいですが、医療情報を使おうということです。

京大病院は情報を1回提供することに対して500万という値段を検討しています。
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/669988/

医療データは収集やDB運用にもお金がかかるので、結構いい値段がします。
これが法外な値段かというとむしろ安いくらいです。
国が主体で運用しているMID-NETというデータベースは1回の利用にあたり、約1,000万~4,000万円くらいかかります。

話を法の話に戻すと、LDIは令和元年6月に申請を出し12月に承認されました。
半年と聞くと短いと感じるかもしれませんが、申請を出すにもおそらく時間がかかりますし、
お墨付きをもらうための審査もおそらく大変です。

今日明日でどうこうなるものでもないので、MDVについても長期的に見ていくことが大切ですし、投資手法も短期的なものとならないことを心がけるのが吉と思います。

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