【追加記事】個別銘柄 3902メディカル・データ・ビジョン(MDV)ver.3

過去にMDVに関する基本的なビジネスモデルと、オンライン診療の影響について書きましたが、今回富士フイルムと社長の岩崎さんからSBI証券に株の譲渡があったことについて、Twitterのフォロワーさまから質問があったので、ごく簡単に私見を紹介します。

SBIの株式取得と目的

MDVとSBIが資本業務提携 ヘルスケア・保険で協業、地域金融ネットで医療連携推進というリリースが11/10付けで発表されました。

重要なところだけかいつまんで話すと

SBIが「MDV筆頭株主の富士フイルム株式会社から持株7,792,800株(議決権比率19.77%)に加えて、岩崎の持株1,159,214株(同2.94%)のうちの358,614株(同0.91%)を、それぞれ譲り受け、MDV株式を議決権で20.69%保有

業務提携により、保有資産の運用などにより地域金融機関とネットワークを構築しているSBIと、医療機関向け経営支援システム「EVE」「MC」や、人が一生涯の健康・医療情報を自ら管理できるPHR(パーソナルヘルスレコード)システム「カルテコ」を付帯した病院向けソリューション「CADA-BOX」を提供するMDVが地域医療連携を推進

あたりです。

まず売り手の富士フイルムとしては、当初はデータを利用して医療機器や創薬に活用したいという思いがあり、出資したと考えられます。MDVの事業が成長したので投資という意味では大成功です。

一方、企業が出資するとなると自社事業へのシナジーが強く求められます。このへんはファンドであればファイナンシャルバイヤーなので特に問われないのですが、事業会社の場合は基本的にストラテジックバイヤーであることが株主より求められるのです。

上場企業の投資家としては、ただMDVの株を持つだけなら自分たちで直接MDVの株を買うし、そちらのほうが売り買いを自由にできるので、わざわざ上場企業が本業に影響の少ない株を持つのはやめてほしいわけです。

富士フイルムはヘルスケア領域で非常に成長している企業ですが、あくまでハードや薬の開発が主力の領域なので、MDVとのシナジーというのは発揮しづらい部分がありました。そして、MDVの医療機関向けの業績が伸び悩んでいることから、ハードとの連携による事業拡大も見通せないという状況だったと思います。そこに株高が訪れ、そしてSBIからの打診があったとなれば渡に船という感じで売却になびくのは当然だと思います。

また、社長が売却したのは子供がおそらく自社にいないからだと思います。(昔ヘルスケアをやっていた時の情報から推測しているので、間違っていたらすみませんが、娘が他社にいたとかいないとかってことを聞いたことがあります。)

さて、ではSBIが株を取得した真の目的はなんでしょうか。
これはおそらく北尾氏がバイオベンチャーやヘルスケア好きという理由だけだと思っています。笑

昔、窪田社長のアキュセラ(現窪田HD)に対しても出資を実行し、びっくりするぐらい買い煽っていましたが、米国治験のフェーズ3で失敗したことから株価が大暴落した事件がありました。
(ちなみに私は上がる前から持っていて、SBIの北尾氏のあおりで500万くらい利益がでたところで売却させていただきました。)

さて、なぜSBIが本業と関連の低い会社に投資するのでしょうか。
これは完全に私見ということをお断りした上で、推測で記載します。

証券会社出身者にとって、バイオベンチャーをはじめとする医療系銘柄はある日突然驚くほどあがることが割と日常茶飯事であります。もちろん失敗する確率も高いですが、実はリスクリターン的には結構おいしいケースも多いです。

5社に投資をして4社が半値になったとしても、1社が3倍になればトントンです。
ハイリスクハイリターンですが、実はある程度目利きをしてバスケットで投資すれば意外と優良ポートフォリオになったりするわけです。

そういったのを分かっている×元証券マンの趣味嗜好が反映された結果が今回の株式取得の理由考えています

事業・株価への影響

すごくさらっと。

影響はないです。
富士フイルムとは大したシナジーがなかったので、お別れしても影響は少ないですし、SBIとも大したシナジーは発揮できないからです。

最後はすごい淡泊になりましたが、こんな感じです。

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