ファンドラップの話

2020年8月20日

最近はCMも少し下火になって来ましたが、数年前からやたら証券や信託各社が力を入れ始めたファンドラップについて、少しご紹介します。

何故各社が力を入れ始めたかは、金融庁の話をご覧ください。

ファンドラップはファンドをラップ(wrap)するという意味です。
ファンドをまとめて管理するみたいなニュアンスですかね。
ちなみに、ちょっと良い金持ち向けサービスでは、SMAってのもあります。

ファンドをまとめるって言っても、すでに株や債券を組み入れたバランス型ファンドは存在してました。
ファンドって日本では星の数ほどあって、バランス型ファンドも数え切れないくらいたくさんあります。
リーマン前は、各社がバランス型ファンドやリートに力を入れていて、結構バランス型ファンドを持ってる人は多かったです。

加えて、銀行よ窓販による投信販売がスタートしたことから、何も知らずに貯金がわりでバランスファンドを買う人もたくさんいました。

リーマンショックで投信が軒並み半値みたいな状態になり、新興国通貨やハイイールド債を組み合わせた分配型投信がブームになったのが2014年まで続いてました。

その後、原油の暴落により終焉しましたが。

話が脱線しましたが、投信の流行り廃りを経て、再度バランス型のブームがきた(正確には無理矢理ブームにした)感じです。

金融庁の締め付けにより、投信の売買が制限されると、ある程度安全性を重視するようにせざるを得ないのに加えて、手数料が減る分をカバーする仕組みが求められてました。

そこで大和証券が目をつけたのがファンドラップです。
ちなみにファンドラップ自体は昔からありました。

ファンドラップは国内債券、株、外国債券、株、不動産などのインデックス投信(一部アクティブもあり)を組み合わせて運用するものです。

株や債券を組み合わせるので、リスクリターンをある程度抑えつつ、組み合わせやリバランスの費用を取るというのがファンドラップです。

まぁうまいシステムですね。
安全性を重視するけど、運用のバランスを取るために手数料をとる。
ロボアドバイザーとかも全部やってることは同じです。
かくして、売買手数料を抑えるために、イニシャルコストゼロで管理費が高いファンドラップへの引越しが証券各社で始まったのです。

なんか子供騙しみたいなアンケートに答えたら、オススメの資産配分が提示され、それを基に運用コースを決めます。
凄いシステムですみたいにいってるけど、過去の資産クラスのリスクリターンを基に、配分を決めるというそれだけです。
ポートフォリオ理論の基礎ですね。

当然、殆どの証券マンはそんな中身なんて興味ないので、本社の専門組織が過去のデータを基にポートフォリオ組みますみたいなことを話します笑

これ自体はいいことなんですが、いかんせんコストが高いんですよね。

コースによっては国内債券が60%含まれてます。保有債券利回りが0%付近なのに、信託報酬とファンドラップ管理費で1.5%近くかかるんですよね。

1000万預けると年間15万です。
まぁ儲かりませんよね。
株が下がった時のヘッジとは言うものの、まぁコスパ悪いヘッジです。

だって株なんて10%含まれるかどうかですからね。
ハイリスクハイリターンのラップにも出来ますが、機動的に運用するわけでもなくただ外国株をたくさん入れるだけですので、そこまでやる意味もないです。

要するに、手数料を献上するためのシステムで今の時代にあってないんです。
債券利回りが3%とか超えてれば話は別なんですけどね。

親がファンドラップ契約しようとしてたら止めてあげてください笑

コストをもう少し下げて、債券金利がまともな状態だったら悪いものではないんですけどね。

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