【初心者~中級者向け】株主優待銘柄の検討方法【永久保存版】

目次

株主優待に関する基礎知識

株主優待制度とは、株主に対して配当金でなく商品や金券を提供するという、世界的にみても珍しい日本独自の制度です。

日経の記事によると、株主優待を日本で最初に行ったのは東武鉄道らしく、1899年にスタートしたとのことです。

株主優待を受け取るにあたっての注意点をまずご説明します。

権利付き最終日に株を保有する必要がある

Q. いつ株を持っていたら優待がもらえるの?

企業が定める権利確定日(割当基準日)に株式を保有している必要があります。この権利確定日は各企業の決算月であることが多く、月末であることが多いです。
しかし、中には20日みたいに中途半端な日にちのこともあるので、事前にしっかり確認しましょう

Q. いつ株を買ったら優待がもらえるの?

権利確定日の3営業日前です。
株を売買すると、3営業日目に受け渡しが行われます。
ネットで売買していると、即受け取っていると思いがちなのですが、実はタイムラグがあります。株を買った時点では、実は資金は引き落とされてなかったりします。
(証券会社が未済を防ぐために拘束金として扱いますが)

野村ホールディングスHP

②長期保有者のみの優待が存在する

Q. 株を買えば必ずもらえるの?

→1年以上や3年以上といった期間の縛りが存在したり、保有年数によって内容が変わったりするケースがあります
また、常に一定数保有しつづける必要があるケースもあれば、1株だけでも持ち続けていればよいケースもあります。

長期優待制度は最近広がり始めたので、(桐谷さんなどの影響で株主優待目当ての投資が増え、費用がバカ高くなっているから)このあたりのルールは明示されていないケースや変更されるケースもあります。
定期的にチェックしましょう!

また、結婚や相続で名義が変わることで継続保有が認められなくなるケースもあります。このあたりも気を付けましょう。

どう気を付けるかは難しいですが。汗

その他、貸株(証券会社に一時的に株を貸し出すことで、金利を受け取る仕組み)についても、継続保有が認められなくなるケースがあるので気を付けましょう。

以下はSBIの注意書きです。

https://faq.sbisec.co.jp/answer/5ee33bd3878c430011c18215

改悪、廃止の可能性がある

Q. 優待はずっと一緒の内容?

→変わることも廃止されることもあります。(逆に良くなることも)
優待投資をする上で、これは一番のリスクです。

東証一部に昇格するために一時的に導入したり、株価引き上げのために無理な優待を実施するケースには注意しましょう。

海外には配送されない

Q. 海外在住者は優待を受け取れるの?

→基本的には海外居住者には送付されません。

銘柄選び(ロングリスト化)

普段みなさんは優待をどのように調べますか?

おそらく「株主優待 お得」「株主優待 3月」「株主優待 外食」「株主優待 少額から」

みたいな形で検索し、XXXのおすすめランキングベスト10みたいなサイトをご覧になられることが多いのではないでしょうか。私もよくやります。

ただ、慣れてくるとだいたい出てくるのは「オリックス」とか「すかいらーく」とか「KDDI」みたいな常連銘柄ばっかりになってきて、新たな発見がなくなってくると思います。

ここでは、そんな人向けの優待確認方法を紹介します。

まず、圧倒的なおすすめはこちらの本。

日経MOOKから出している本ですが、全銘柄の株主優待と発行時点での株価や配当まで記載されています。また、優待の権利月順で並んでいるのも使い勝手が良いです。

もちろんネットでも良いのですが、紙の本で探したほうが自分好みの銘柄を見つけられたりしますし、付箋を貼っておいて時々チェックみたいなことも行いやすいです。

この本を見ていて出会ったマイナーな銘柄例(シュッピン)

まずはこちらでざっと興味あるものに付箋を貼るというのが、私のここ数年のルーティーンです。
こんな感じでぺたぺた付箋を貼ります。

ただし、紙の情報だと古いものも混ざってくるので、以下のサイトも併用して使います。

みんかぶ
https://minkabu.jp/yutai

invest-jp
https://www.invest-jp.net/yuutai/news

みんかぶの株主優待ページはいろいろなタグで整理されており、さらに長期保有特典銘柄のソートなども可能なので、テーマで調べたい時に使っています。
invest-jpは優待変更情報などが全てまとまっているので、新設のチェックや廃止のチェックを定期的に行っています。
ブックマーク必須です!

こんな感じで、まずは魅力的だと思うリスト一覧(ロングリスト)を作っておくことをおすすめします。(私はエクセルで管理しています)

銘柄選び(ショートリスト化)

日本で株主優待を行っている会社は山ほどあるので、気になる銘柄を全てチェックしておくのは大変だと思います。
そこで、株価が下がったら買うリストとして絞り込んで、それらをチェックするという形をとっていますので、絞り方についてご紹介します。

Quoカードなどの金券系優待を実施しているけど業績は赤字な会社は基本的に排除

→減損などでキャッシュ流出の伴わない赤字などは除いても良いですが、そもそもそういった会社は見送りで良いかと思います

Quoカードなどの金券系優待を実施しているが、実施期間が3年未満も排除

→金券系は金がかかるので、すぐに辞めるケースも多いです。ちゃんと実績ができるまで待つのが善。

物品系で原価+送料が高そうな優待を実施しており、営業利益が1桁億円以下の会社は除外

→優待品を送付するのは結構なコストになります。原価1,000円の商品を送料1,000円で1万人に送るとそれだけで2,000万円純利益が減っちゃいます。
もし利益が2億円の会社だと、優待を辞めるだけで来期の利益率10%改善みたいな状況ですので、業績悪い時にすぐにやめようとなってしまいます。また、単元株が安いものは株主が増えやすいので、そのあたりも気を付けましょう。

業績が悪い自社サービス系の優待については、実際にかかる費用を要精査

→自社サービス系は金券と違って企業のコスト負担は低めのものが多いです。例えば、Quoカードと食事券で例えると、どちらも1000円だったとしても実質負担は倍以上違ったりします。

飲食店での食材原価が30%とすると、実質追加負担は300円ですので、(優待で客が増えるから人件費も増えるみたいなことはないという前提です。)負担は軽いみたいなことがあります。
一方、マッサージとか原価の高い食品の提供みたいな優待だと、業績が悪い企業にとっては負担なので、なくなりやすいです。例えば、今株価が低迷しているペッパーフードサービス(いきなりステーキ運営)などは、そこそこ原価も高いのですかいらーくなどより優待廃止リスクが高いと思います。

このあたりに関しては、こちらの記事で少し詳しく話しています。

まとめ

株主優待についても、自分の視点で分析して購入することで楽しみも増えますし、外れ銘柄を引くことも減りますので、ぜひいろいろ試してみてください。

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